外部からの寒さ・冷たさ、熱さ・温かさの刺激によって生じる蕁麻疹をそれぞれ「寒冷蕁麻疹」、「温熱蕁麻疹」と言います。寒冷蕁麻疹は冷たい水や寒い風、温熱蕁麻疹はお風呂などの熱いお湯や暖房器具の熱風などが原因となることから、いずれも冬場に多く見られます。局所性と全身性があり、局所性は刺激を受けたその部分に小さなふくらみ(膨疹:ぼうしん)が生じ、全身性は全身が冷えたり温まったりしたときに起こります。いずれも小豆大ほどの大きさの膨疹が見られ、強い痒みと赤みを伴います。
通常、数時間後には跡形もなく自然に消えてしまうことがほとんどですが、何日も持続するようであれば皮膚科を受診しましょう。蕁麻疹の原因は、刺激によって細胞から分泌されるヒスタミンという物質ですので、抗ヒスタミン薬の内服薬による治療が行われます。
寒冷蕁麻疹や温熱蕁麻疹など物理的な刺激によって起こる蕁麻疹は、原因となる刺激を避けることが第一です。たとえば、薄着で寒い室外に出たり、暖房機器に近づき過ぎたりするなど、肌に直接、冷気や熱風を受けないようにしましょう。特にこれまで寒冷蕁麻疹や温熱蕁麻疹を起こしたことがある人は注意が必要です。
その上で、バランスのよい食事と十分な休養・睡眠をとること、スキンケアで肌のバリア機能を保つことが重要です。
一日に何度も入浴したり、ゴシゴシと強くこすって洗ったりすることは、肌のバリア機能の破壊につながり、乾燥や肌荒れを引き起こす要因となります。また、お湯の温度が高過ぎると必要な皮脂も流れてしまうので注意しましょう。
肌が乾燥すると、肌のバリア機能が衰えて、外部からの刺激に弱くなり、蕁麻疹などの肌トラブルを引き起こしやすくなります。洗顔後や入浴後は水分が蒸発して肌が乾燥しやすい状態なので、時間を置かずに化粧水、乳液などで保湿して、乾燥を防ぐようにしましょう。
紫外線を浴びると、肌が乾燥しやすくなります。冬でも紫外線は降り注いでいるので、紫外線対策は継続しましょう。
石川県 野々市市
とりい皮膚科クリニック 院長 鳥居靖史 先生
とりい皮膚科クリニックは、黄色を基調とした明るい診療室でリラックスして治療を受けていただけるよう努めているクリニックです。患者さんの立場に立ち、心から満足していただけるような皮膚科治療を提供します。お肌のトラブルにつきましては、どんなことでもお気軽にご相談ください。