季節のトラブル

今年も花粉飛散のシーズン到来!つらくなる前に知っておきたい対策

今年もそろそろ花粉の飛散シーズン。くしゃみや鼻水、目のかゆみ…など、毎年のように悩まされている人も多いのではないでしょうか。花粉が引き起こすつらい症状を緩和するには、まず花粉について知ること、そして、日常生活のなかでできるだけ花粉を避けることが大切です。

ここでは、花粉シーズンにやっておくべき4つの対策をまとめました。もし症状が出てしまったときの、ワンポイントアドバイスもご紹介します。

森本耳鼻咽喉科
森本雅太先生

花粉シーズンにやっておくべき4つの対策

まずは、花粉の飛散に備えてやっておきたい4つの対策からご紹介します。

花粉の飛散時期・量が増える日を把握しておく

花粉対策は、花粉がいつごろから飛散するのか、時期をきちんと把握しておくことが大切です。環境省の花粉症環境保健マニュアル(2014年1月改訂版)によると、スギ花粉は関東では1月から飛び始めていますが、特に量が増えるのは例年の2月頭から。また、次のような条件下は、花粉の量が多くなるので注意が必要です。

  • 晴れて気温が高い日
  • 空気が乾燥して、風が強い日
  • 雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
  • 時間帯では、昼前後と日没後に多くなる傾向

天気予報などでこまめに花粉情報をチェックし、飛散が多いときはできるだけ屋内で過ごすようにしましょう。なお、花粉の主な種類や飛散の時期については、『花粉のピークはいつ?飛散の時期を確認して早めの対策を!』『スギ・ヒノキだけじゃない!花粉症の原因植物の種類と飛散時期は?』も参考にしてください。

外出するときは、目や鼻をガードする

いざ花粉が飛散し始めたら、花粉から身を守る必要があります。外出するときは、マスクやメガネを付けましょう。

マスクを付けることで吸い込む花粉をおよそ1/3から1/6に減らすことができ、鼻炎の症状を和らげる効果があります[1]。マスクを選ぶときはすき間ができないよう、顔にフィットするものを選びましょう。使い捨てタイプが衛生的でおすすめです。

メガネはまったく使用しない場合に比べて、通常のメガネで目に入る花粉量を40%カット、防御カバーがついた花粉専用メガネでは花粉量を65%もカットできるといわれています[1]。

外出するときは、服装にも気をつけましょう。例えばウールのコートや毛羽立ったマフラーなどは、花粉が付着しやすく、花粉を家のなかに持ち込んでしまう可能性があります。木綿や化繊でできた、すべすべした表面感のコートや衣類がおすすめです。

室内に花粉を入れないよう気を配る

外ではがっちりガードをしていて平気だったけれど、帰宅したとたん、くしゃみや鼻水が止まらなくなるという人も少なくないのでは? もしかしたら、花粉が室内にも侵入してきているのかもしれません。

室内の花粉対策は「花粉を外から持ち込まない」「外の花粉を室内に侵入させない」の2つがポイントです。

「持ち込まない」ための対策としては、外出先から帰宅したら、衣類や髪の毛についた花粉をよく払い落としてから室内に入る習慣を付けましょう。そして、うがい・手洗い・洗顔を行い、目や鼻、のどの粘膜についた花粉を除去します。この時期の洗濯物は、できるだけ部屋干しに。外に干したときは、花粉をよく払い落としてから室内に取り込みます。

「外の花粉を侵入させない」ためには、窓や戸をきちんと閉めておくことが大切です。この時期は暖房を使うため換気が必要になりますが、換気は花粉飛散量の少ない朝や夕方の時間帯を選び、窓を少しだけ開けて短時間で行うようにするとよいですね。

室内の掃除もこまめに行うことが肝心です。いきなり掃除機をかけると花粉が舞い上がることがあるので、雑巾やフロアモップなどで拭き掃除を中心に。特に窓など出入り口付近は念入りに行いましょう。

日頃から体調を整え、酒・たばこを控える

疲労やストレスが溜まり、体調を崩していると症状が悪化しやすくなります。日頃から睡眠をよく取る、適度に運動する、疲れたら休むなどして体調を整えておきましょう。

また、風邪をひくと鼻の粘膜が弱ります。弱った粘膜は花粉に対して敏感になり、症状を悪化させることがあるので、風邪をひかないことも大切です。

食事面では、現在のところ特定の食材で花粉症の症状が大きく改善したとの効果は確認されていません。そのため、バランスのよい食事を心がけることが一番です。

タバコは鼻の粘膜を刺激し、症状を悪化させるといわれています。また、お酒の飲みすぎは血管を拡張させて、充血や鼻づまりを起こしやすくすることがあります。いずれも控えるのがよいでしょう。

症状が出てしまったときの対処法

花粉による影響は、主に鼻や目に現れます。鼻ではくしゃみ、水気の多い鼻水、鼻づまり、目では激しいかゆみや結膜の充血、涙目などがあります。こうした症状が現れたときのケアや対処法についても、知っておきましょう。

目に炎症やかゆみがあるときは

花粉が飛散する時期は、目に炎症を起こすことがあります。目のアレルギー症状を悪化させないためにも、目を酷使する生活習慣に気をつけ、テレビやパソコン、スマホの使いすぎに注意しましょう。

また、この時期コンタクトレンズを装着していると、涙が洗い流すはずの花粉がいつまでも眼球のなかにとどまり、刺激になることも。できるだけメガネに切り替えるようにしましょう。

目がかゆくてつらいときは、冷たい水に浸してしぼったタオルなどで目の周りを冷やすと、かゆみを抑える効果があります。

医薬品で症状を抑える

くしゃみや鼻水が止まらないなど、日常生活にも支障がでるような場合は、病院に行って処方薬を出してもらうとよいでしょう。病院ではアレルギー症状を抑える飲み薬や、点鼻薬・点眼薬などが処方されます。最近は眠気が起こりにくいものもあり、仕事や勉強中でも安心して使うことができます。

病院に行く時間がないというときは、薬局やドラッグストアでも症状を抑える市販薬を購入することができます。ただし、薬剤師さんがいるカウンターで、現在の症状や他に飲んでいる薬などの情報を伝えてから選ぶようにしましょう。

鼻のかみすぎで肌が荒れてしまったら

この時期は鼻水が止まらなくなり、ティッシュを大量に消費しますよね。しょっちゅう鼻をかんでいると鼻の周りの皮脂が奪われ、ティッシュの繊維による摩擦も加わって肌荒れを起こしてしまうこともあります。

失われた皮脂を補い、鼻の周りの肌を乾燥から守るためにも、油分の多いクリームなどで鼻を保護してあげましょう。また、花粉シーズンだけ保湿成分入りのティッシュに切り替えるのも、鼻の荒れ防止に役立ちます。

花粉が飛散するシーズンは、日常生活のなかで花粉にできるだけ触れないよう、工夫していくことが大切です。
外出するときはマスクやメガネで花粉を防ぐとともに、衣類や髪に付着した花粉を家のなかに持ち込まないよう気をつけ、掃除もこまめに行いましょう。日頃から体調を整え、ティッシュの使いすぎで肌荒れを起こさないようスキンケアにも気を配るとよいですね。

参考文献

[1]環境省 "花粉症環境保健マニュアル-2014年1月改訂版-Ⅲ . 花粉症の予防と治療" 環境省ホームページ. https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/3_chpt3-1.pdf(参照2019-01-07)

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  • 花粉
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