季節のトラブル

花粉のピークはいつ?飛散の時期を確認して早めの対策を!

凍てつくような寒さもひと段落し、自然と心が浮き立つ春。でも、花粉を一度経験してしまうと、そんな春のウキウキ感もどこかへ行ってしまいますよね。あのつらい症状を引き起こす花粉は、いつごろから飛び始めるのでしょうか。お住まいのエリアごとの飛散状況についてご紹介します。

森本耳鼻咽喉科
森本雅太先生

花粉のピークはいつ?エリア別飛散時期

飛散する花粉の量や種類、ピーク時期は、地域によって少し違いがあります。ここでは環境省の花粉症環境保健マニュアル(2014年1月改訂版)を参考に、地域ごとの例年の飛散状況をご紹介します。なお、花粉の種類について詳しくは、『スギ・ヒノキだけじゃない!花粉症の原因植物の種類と飛散時期は?』も参考にしてください。

北海道エリア

本州とは異なりスギ・ヒノキの飛散は少ないものの、4月から6月にかけてシラカンバが飛散するのが北海道ならではの特徴です。油断をせずに対策を立てましょう。

  • スギ…3月中旬~5月上旬に少量飛散
  • ヒノキ…4月下旬~6月下旬に少量飛散
  • シラカンバ…4月中旬~6月下旬/うち4月下旬~6月上旬がやや多め
  • イネ科植物…5月~9月/うち6月中・下旬がやや多め

東北エリア

関東と並んで花粉が多く飛散する東北地方。特に、2月下旬から飛び始めるスギや、4月にピークを迎えるヒノキ、初夏に長期間飛散するイネ科の花粉に注意しましょう。

  • スギ…2月下旬~4月中旬が非常に多い
  • ヒノキ…3月中旬~5月中旬/うち4月中が非常に多い
  • イネ科食物…3月下旬~10月下旬。12月下旬も少量飛散/うち5月下旬~6月上旬が非常に多い
  • ブタクサ…8月中旬~10月中旬/うち9月初旬が非常に多い

関東エリア

春先に飛散するスギやヒノキに加えて、初夏をピークに長期間飛散するイネ、秋のブタクサ・カナムグラなど、種類や量も多いのが特徴です。

  • スギ…2・3・4月が非常に多い/li>
  • ヒノキ…3月中旬~4月下旬が非常に多い
  • イネ科植物…2月中旬~12月下旬/うち5月上旬~6月中旬が非常に多い
  • ブタクサ…7月中旬、8月~12月/うち8月下旬~9月下旬が非常に多い
  • カナムグラ…8月中旬~11月中旬/うち9月上旬~10月上旬、10月下旬が非常に多い

東海エリア

関東と比較すると飛散の期間・種類・量いずれも少なめですが油断は禁物です。特にスギやヒノキのピーク時はマスクなどで対策を行いましょう。

  • スギ…2月下旬~3月中旬が非常に多い
  • ヒノキ…3月中旬~5月中旬/うち4月上・中旬が非常に多く、3月中・下旬もやや多め
  • イネ科植物…3月下旬~10月下旬に飛散

関西エリア

関東や東海エリアと同じく、春先のスギやヒノキの飛散は要注意。秋のブタクサやカナムグラも少量ですが気をつけましょう。

  • スギ…2月下旬~3月末までが非常に多い
  • ヒノキ…4月上・中旬が非常に多い
  • イネ科植物…4月下旬~5月下旬、8月中旬~9月上旬、10月上旬がやや多め
  • ブタクサ…8月下旬~10月中旬/うち9月中・下旬がやや多め
  • カナムグラ…8月上旬、9月中旬~11月中旬/うち10月上旬がやや多め

九州エリア

温暖な九州エリアは、スギやヒノキの飛散ピークが東海・関西エリアよりもやや早め。イネ科植物の飛散にもほぼ一年中、気をつける必要があります。

  • スギ…2月中旬~3月中旬が非常に多い
  • ヒノキ…3月上旬~5月中旬/うち3月中旬~4月上旬が非常に多く、4月中旬もやや多め
  • イネ科植物…4月中旬~6月中旬、8月下旬~9月上旬、10月上旬がやや多め
  • ブタクサ…9・10月/うち9月下旬がやや多め
  • カナムグラ…8月下旬~10月中旬、11月上旬/うち9月下旬がやや多め

お住まいのエリアごとの飛散状況について、お分かりいただけましたか? 続いて、春のスギ・ヒノキ花粉の飛散傾向について、より詳しく見ていきましょう。

その年のスギ・ヒノキ花粉飛散予測もチェックを

厚生労働省ホームページの花粉症特集によると、国内の花粉症患者の約7割はスギ花粉が原因とされています。また、先にご紹介した環境省・花粉症環境保健マニュアルでは、ヒノキ花粉もスギ花粉症の原因となると説明されています。

このように、多くの人に影響を与えるスギやヒノキの花粉量は、前年の夏の気象に左右されます。前年夏に気温が高く、日照時間が多く、雨が少ないと花芽が多く形成され、翌年春の花粉の飛散が多くなる傾向があります。そのため、酷暑や日照りが続いた夏の翌年は、花粉の大量飛散に備えることが肝心です。

スギ・ヒノキ花粉の飛散情報については、日本気象協会が毎年10月ごろから翌年の飛散予測をホームページ上で公開しています。また、リアルタイムで全国120箇所(沖縄を除く)の飛散情報を紹介している環境省の花粉情報サイトも便利ですので、参考にしてください。

花粉の症状を防ぐにはどうしたらいいの?

花粉症は、本来であれば無害な花粉に対して、身体の免疫機能がアレルギー反応を起こしてしまうことで引き起こされます。症状の現れ方には、生活習慣も関係しているといわれています。日頃から規則正しい生活習慣や、適度な運動を取り入れて健康をキープしましょう。

花粉の飛散シーズンが来てしまったら「花粉をいかに避けるか」もポイントになってきます。花粉の飛散量が多い時期は、外出を避ける、やむを得ず外出するときはマスクやメガネを着用するなどの対策を行いましょう。詳しくは、『今年も花粉飛散のシーズン到来!つらくなる前に知っておきたい対策』をご覧ください。

つらい症状を引き起こす花粉の飛散時期は、お住まいのエリアごとにやや異なります。また、スギやヒノキの花粉量は、前年夏の気象とともに増減することが分かっています。こうしたデータや予測も参考にしながら、花粉に対して万全の備えをしていきましょう。

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