季節のトラブル

意外な盲点。髪の毛にも花粉対策を行うべき理由とは?

花粉シーズンのピークともなると、室内にいてもくしゃみ・鼻水が止まらなくなることがあります。この時期は肌や頭皮がかゆくなる、赤くなる…などの症状を感じている人もいるのではないでしょうか。

そのようなトラブルは、髪の毛に付着した花粉のせいかもしれません。今回は、髪の毛と花粉の関係や、花粉による影響を防ぐケアのポイントについてご紹介します。

森本耳鼻咽喉科
森本雅太先生

髪の毛と花粉の関係性とは?

花粉が飛散するシーズンは、衣類だけじゃなく髪の毛にも花粉が付着している可能性があります。髪の毛に付着した花粉は、日常生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

髪の毛についた花粉が症状悪化の原因に

残業や飲み会で帰宅が遅くなると、玄関からすぐにベッドに直行して休みたい! と思うことがありますよね。でも、そんな時に髪の毛に花粉が付着したままだと、着替えをするとき床に落ちたり、寝ている間に枕の周辺に散らばったりして、くしゃみ・鼻水などの原因になることがあるのです。

花粉のシーズンは、朝の起床時に突発的に症状が強まる、花粉による「モーニングアタック」に悩まされることがあります。これは、起きぬけに室内を歩き回ったり、暖房を付けたりしたときに、室内に持ち込まれた花粉が舞い上がることも、原因の一つと考えられています。

スギ・ヒノキ花粉が飛散する冬から春にかけては、空気が乾燥しているため、静電気の発生にも気をつけたいものです。静電気は毛先を広げるなどしてスタイリングを手こずらせるだけでなく、チリやホコリと共に花粉を髪の毛に引き寄せる原因にもなってしまいます。

肌や頭皮が荒れることも

花粉の影響で起こる症状と言うと、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが代表例ですが、肌荒れを引き起こす可能性もあることをご存知でしょうか。

花粉が多く飛散する季節は、肌や頭皮にほのかな赤みや、チリチリとくすぐったいようなかゆみ、痛みなどが現れることがあります。

乾燥の激しい冬を耐えてきた肌や頭皮は、本来備わっているバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなっています。そのような状態で、花粉が髪の毛から肌や頭皮に付着してしまうと、花粉に対して身体が過剰に反応してしまうことがあるのです。

なお、花粉の時期の肌荒れについて詳しくは『春先の肌荒れは花粉のせい?悪化を防ぐ対策とスキンケア』でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。

花粉シーズンに取り入れたい対策とは?

髪の毛についた花粉の影響を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。一般的な花粉対策に加えて、取り入れていきたいポイントについてご紹介します。

帰宅したら、まず花粉を落とす

室内に入る前に、衣類から花粉を払い落とすとともに、髪の毛についた花粉を払う習慣を付けましょう。花粉が多い春先は、玄関に衣類用のブラシとともに、ヘアブラシも用意しておくとよいかもしれません。

ブラッシングをするなら、ブラシはプラスチックやポリエステルなどの帯電しやすい素材を避け、天然素材や静電気防止加工が施されたものを使うのがおすすめです。まずは毛先のほうから少しずつとかしていって髪の毛のもつれをほぐし、最後に全体をゆっくりとかすようにします。

髪や頭皮のうるおいを保つヘアケア

帰宅したらなるべく早めにお風呂やシャワーに入り、髪や身体に付着した花粉を洗い流すのも、対策の一つになります。その際は、ヘアケアにも気を配りましょう。

痛んだ髪、乾燥した髪は静電気を帯びやすく、花粉を引き寄せてしまいます。しっとりとした洗い上がりのシャンプーやコンディショナーを選んで、うるおいを守りながら優しく洗い上げましょう。

洗髪後の濡れた髪は、キューティクルが開いてダメージに弱い状態です。清潔なタオルに水気を十分吸い取らせてから、ドライヤーで根元からしっかり乾燥させることが大切です。ブローやブラッシングをするときは、洗い流さないタイプのトリートメント剤などを毛先中心になじませると、摩擦を抑える効果も高まりますよ。

髪や肌の乾燥を進ませないためにも、室内では加湿器をつけるのもおすすめです。室内の湿度が上がると、空気中の花粉が水分を含んで重くなり、床に落ちやすくなる効果も期待できます。

室内はこまめに掃除を行う

花粉の季節はどんなに気をつけていても、室内に花粉を持ち込んでしまうことがありますよね。室内の掃除をこまめに行い、花粉を取り除きましょう。なお、室内の掃除については、『今年も花粉飛散のシーズン到来!つらくなる前に知っておきたい対策』も合わせてご覧ください。

暖房を使用するこの時期は、室内の換気も欠かせません。しかし、空気の入れ替えをするときに、室内に花粉を入れてしまうおそれも。換気は花粉の飛散が比較的少ない朝や夜に、窓を小さめに開けて短時間で済ませましょう。

枕やシーツなどの寝具も、こまめに洗濯したり、花粉が付着しにくい素材を選んだりするとよいですね。

外出するときは、髪に花粉が付きにくい工夫を

外出するときは、髪の毛の露出を減らす、もしくはコンパクトにまとめて花粉が付着しにくく工夫することも大切です。普段はロングヘアの人も、まとめ髪にする、帽子やスカーフを活用するなどの対策を行いましょう。

花粉が飛散するシーズンは、日常生活のなかで花粉にできるだけ触れないよう、また、室内に花粉を持ち込まないよう、工夫していくことが大切です。なかでも、髪の毛についた花粉は、見逃しがちなポイント。室内に入る前にブラッシングをして花粉を払い落とす、ヘアケアに気を配って静電気が起こりにくい髪をつくる…などのこまめな対策を取り入れて、うららかな春を楽しみましょう!

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