日常のトラブル

ストレスで肌あれが起こるってホント?上手な対処法とは

やることが山積み、人間関係でもイライラ…。そんなストレスと戦っているとき、気づけばニキビができたり、肌あれを起こしたりということはありませんか? なぜストレスは肌に影響を与えるのでしょうか。そのしくみや、ストレスの上手な対処法を紹介します。

Crystal 医科歯科 Clinic International
中島由美先生

そもそもストレスとは?

ふくらんだ風船を指で押すと、その部分が凹みますよね。「ストレス」とはそのように外側から圧力や刺激を受けて、物体にゆがみが生じた状態から派生した言葉です。また、ストレスを与える側や原因のことを「ストレッサー」といいます。

「ストレス」というと、職場や家庭などでの不安や緊張・イライラなど、心理的なものばかりをイメージしませんか? でも実は、暑さや寒さといった気温の変化、有害物質など物理的なもの、睡眠不足など生理的なものも、ストレッサーに含まれるんですよ。

ストレスと肌との関係

身体のなかでは脈拍や体温、臓器の働きをコントロールするために、自律神経が働いています。自律神経には、起きているとき・緊張状態にあるときに優位になる交感神経と、寝ているとき・リラックスしているときに優位になる副交感神経があります。

何かストレスを受けると、私たちの身体はその事態に対処しようと交感神経を優位に切り替えます。それに伴って血管の収縮や覚醒反応が起こり、さらにその状態が続くと免疫機能の低下なども起こります。肌の生まれ変わり(ターンオーバー)も不調になり、すこやかな肌が保ちにくくなってしまうのです。

女性の場合はストレスによって男性ホルモンの分泌が増え、皮脂量が増加。ベタつきを感じやすくなり、ニキビができやすくなることもあります。

ストレスで肌あれが進んでいるときのケアは?

肌あれが進むと、肌表面のうるおいバリア機能も低下。ちりやほこり、紫外線など外部からの刺激に弱い状態になってしまいます。朝晩のやさしい洗顔と保湿ケアでうるおいバリア機能をサポートしながら、肌をいたわってあげましょう。

スキンケア化粧品は刺激の少ないタイプを選び、水分と油分をバランスよく補いましょう。「ベタつくから」と乳液やクリームを省く自己流のケアを続けていると、せっかく補った水分まで逃げやすくなるので注意してください。ニキビや吹き出物が気になる場合は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されたニキビのもとになりにくい処方の製品を選ぶのもよいですね。

ストレスを溜めすぎないためのヒント

ストレスへの対処法として、日頃から意識しておきたいのが「3つのR」です。以下の3つを取り入れ、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。

1. レスト(Rest)

休息や休養、睡眠のことです。疲れた身体や心は、十分に休ませてあげることが大切です。栄養たっぷりのおいしい食事で、英気を養うのもよいですね。日常生活ではデスクワークの合間に席を立って一息入れる、短い昼寝を取り入れる、なども効果的です。

2. レクリエーション(Recreation)

脳や身体を活性化させる、趣味や娯楽、気晴らしのことです。たとえば軽いスポーツや楽器演奏、ガーデニング、旅行などが当てはまります。週に数時間でよいので、好きなことに思いっきり取り組んでみましょう。

3. リラックス(Relax)

癒しやくつろぎの時間を持つことです。音楽を聴く、瞑想やヨガ、ストレッチをするなどが代表例です。入浴やアロマテラピーを楽しんだり、親しい人と過ごしたりするのもよいですね。自分に合った方法で、緊張をほぐしましょう。

ストレスと上手に向き合う方法

ストレスの原因そのもの(ストレッサー)にうまく対処することも大切になってきます。上手にストレスに向き合う方法をストレスコーピングといい、主に以下の2つがあります。

ストレッサーを変化させる(問題焦点コーピング)

ストレッサーに直接働きかけて、それ自体を変化させる解決方法です。たとえばストレスを感じている相手がいる場合、こちらから語りかけて、接し方を変えてもらうなどの方法があります。周囲の人に仲裁に入ってもらう、職場であれば配置転換をしてもらう…などの対処法も、広い意味でこちらの解決方法に含まれます。

ストレッサーへの意識を変える(情動焦点コーピング)

直接働きかけるのではなく、ストレッサーに対するこちらの考え方や感じ方を変える解決方法のことです。日頃から意見が合わず、ストレスを感じている同僚なら、「自分にはない視点を与えてくれる人だな」と考えることで、ポジティブに受け止めることができるでしょう。周囲に相談して慰めや励ましをもらい、気持ちを収めることも、こちらの解決方法に含まれます。

日常的に「3つのR」を意識して健康面でのすこやかさをキープするとともに、どのようにストレスと向き合うのがよいか、ベストな方法を試してみてはいかがでしょうか。周囲の協力を得ることも、問題解決に役立ちますよ。

心の状態は、身体や肌にも現れます。ニキビや肌あれは、身体からのSOSかも。そんなときはあせらず、じっくり自分と向き合う時間をつくりましょう。そして、解決策を探ることが大切です。やさしく丁寧なスキンケアで、肌をいたわることも忘れないでくださいね。

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