
生理前の肌あれやニキビはなぜ起こる?セルフケアのポイントとは
「生理前になると、肌あれやニキビを起こす」という経験を持つ女性は多いのでは?肌あれやニキビが起きる理由と、生理前の時期に心がけたいスキンケアや生活習慣のポイントについて紹介します。

くみこアレルギークリニック
向田公美子先生
生理前のあごニキビや肌あれ…どうして?
女性は生理周期に応じて女性ホルモンが変動し、心身や肌の状態に影響を与えることがあります。なかでも生理の1週間前あたりは、黄体ホルモンが増えるため皮脂の分泌が活発になります。
そのため肌が脂っぽくなってあごや口元など部分的にニキビが目立ったり、肌が不安定になってかさつきや炎症を起こしたり。ほてりを感じることもあります。
肌の乾燥やバリア機能低下にも注意を
肌の表面にあたる角層には、うるおいを蓄えることで紫外線やホコリなど異物の侵入を防ぐ「バリア機能」が備わっています。
秋冬の湿度低下やエアコンの影響で肌からうるおいが失われ、乾燥していると、肌のバリア機能も低下。外界からの刺激に敏感になり、生理前の肌あれやニキビを悪化させる要因になるので注意しましょう。
スキンケアや日常生活のポイントは?
生理前の肌あれは、誰にでも起こり得ることです。生理が終われば肌の状態は回復し、うるおいやハリ・ツヤも感じられるように。それまではあまり気にせず、心身をゆっくり休ませることも大切です。ここでは生理前にできるスキンケアのポイントについても見ておきましょう。
洗顔
生理前は皮脂の分泌が盛んになる傾向があるので、毎日の洗顔で肌を清潔に保つことが大切です。ただし、1日に何度も洗顔をしていると肌の乾燥が進むことも。朝晩の2回、洗顔料をたっぷり泡立ててやさしく洗いましょう。肌をゴシゴシこすると、バリア機能の低下につながるので気をつけてくださいね。
保湿ケア
洗顔後は時間をおかず、いつもより念入りな保湿ケアを。十分にうるおいを与えることで肌を整え、すこやかな肌を育みましょう。
化粧水や乳液は手のひらに適量を取ってから、顔全体にやさしくなじませます。肌あれが気になるときはコットンよりも清潔な手のひらで直接つけるほうが、肌に刺激を与えずお手入れできるでしょう。
この時期だけスキンケア化粧品を「低刺激」タイプに変えるのもよいですね。ニキビが気になる人は「ニキビのもとになりにくい処方」かどうか、チェックしてみましょう。
バリア機能が低下した肌は紫外線の影響を受けやすくなるので、UV対策も欠かせません。低刺激タイプの日焼け止めや帽子・日傘で肌を守りましょう。
メイク
皮脂が多くベタつきが気になる生理前は、リキッドやクリームタイプのファンデーションよりも軽い質感のパウダリーファンデーションがおすすめ。肌に負担をかけないよう、薄く伸ばしましょう。ファンデーションにも低刺激タイプや薬用タイプの商品がありますので、そうした商品を選ぶのもよいですね。
日中の過ごし方
生理の1週間ほど前になると、むくみや頭痛・腹痛、イライラ、眠気、集中力の低下…など、月経前症候群(PMS)といわれる症状に悩まされる女性もいます。いつもよりも休息や睡眠をしっかり取り、自分のペースで過ごしましょう。気分転換やリラックスになることも取り入れてみてください。
食生活
肌あれやニキビは、内側からのケアも大切。主食・主菜・副菜をきちんと揃え、栄養バランスのよい食事を心がけることが基本です。さらに肌の材料となるタンパク質、糖質や脂質の分解・代謝を高めるビタミンB群、美肌に欠かせないビタミンCなどを意識して摂るのがおすすめです。
ニキビを防ぎたいときは、便秘対策も取り入れてみましょう。乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖などを積極的に摂ると、腸内環境を整えるのに役立ちますよ。
肌あれだけでなく月経前症候群(PMS)の症状にも悩んでいる人は、カルシウムやマグネシウムも摂取を。カフェインやアルコール、喫煙はできるだけ控えましょう。
生理前の肌あれ・ニキビは、多くの女性が悩んでいる症状です。限定的な症状と考え、やさしい洗顔と丁寧なスキンケアで乗り切りましょう。肌が敏感なとき向けに、低刺激のお手入れアイテムを用意しておくと便利ですね。いつもはがんばりやさんの女性もこの時期は十分な休息や栄養たっぷりの食事を楽しみ、身体と心をいたわってあげてくださいね。
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- 生理前
- 肌荒れ