皮ふ科医に聞く ミニ知識
乾燥やシミ・そばかす、ニキビあと… 肌に関するお悩みはさまざま。気になる紫外線や、アンチエイジング対策など、ふだんの生活でできるスキンケアや肌トラブルへの心がまえについて、第一線でご活躍中の皮ふ科の先生にお聞きしました。

初夏に起こしがちな肌トラブル

肌の露出が増え、屋外に出る機会も増える初夏は、さまざまな原因物質が直接肌に触れることで「かぶれ」を起こしやすくなります。

かぶれの原因と予防

かぶれは、身のまわりの非常に多くのものが原因になりますが、初夏は特にガーデニングやハイキングなど野外で接触する植物によるものが考えられます。野山に自生する植物だけではなく、観賞用の草花でもかぶれる場合も。野山の植物ではウルシ科の植物、ガーデニングではサクラソウに注意する必要があります。ほかにも、キク、ヨモギ、アロエなどもかぶれやすい植物です。
また、薄着になるとアクセサリーが直接肌に触れるようになりますが、これからの季節は汗もかきやすく、アクセサリーから汗などで溶け出す金属イオン(特にコバルト、ニッケル、クロム)が原因となってかぶれを起こすことがあります。
予防策としては、いずれも原因物質と考えられるものに接触しないことが一番です。植物は、長袖、長ズボン、手袋などで肌を保護して直接肌に触れないようにしましょう。アクセサリーなどの金属は、汗をかくときは外すなど、身に着ける際の工夫も必要です。

金属、植物によるかぶれに対するケア

●掻かない

掻くなどの刺激を与えないよう、冷水で濡らしたタオルをかゆい部分にあてるなど、かゆみを落ち着かせて悪化を防ぎましょう。

●清潔に保つ

汗をかくとかぶれの原因物質や汚れ(細菌)が皮膚に付着しやすくなるので、シャワーなどで汗や汚れを洗い流し、肌を清潔に保ちましょう。

●バリア機能を高める

外部からのさまざまな刺激から体を守るため、皮膚にはバリア機能が備わっています。この機能を損なわないよう、洗浄時はゴシゴシ擦らず、洗浄後はしっかり保湿します。日ごろから適切なスキンケアを心がけ、外部からの刺激に対するバリア機能を高めておきましょう。

●規則正しい生活を送る

皮膚の回復を助ける働きをしてくれるので、バランスの摂れた食事と十分な睡眠を心がけましょう。

赤くなったり、かゆみや発疹が出てしまったら、自己判断せず、皮膚科を受診して適切な診断・治療を受けるようにしましょう。

教えてくださったのは
初夏に起こしがちな肌トラブル|新潟県 新潟市 かつうみ皮膚科医院  勝海薫 先生

新潟県 新潟市

かつうみ皮膚科医院 勝海薫 先生

平成10年開業以来、第一線の皮膚科クリニックとして皮膚疾患全般を対象として、幅広く診療を行っています。「もし、自分や家族が患者さん自身であったなら、ドクター・医療スタッフとしてどうするのだろうか」を診療上のキーワードと考え、スタッフ一同、診療にのぞんでいます。

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