さまざまな肌悩みと向き合い、肌のことを知りつくした皮ふ科医が、毎日のスキンケアに役立つポイントや肌トラブルへの心がまえについてアドバイスします。※d プログラムは、敏感肌の方のご協力によるパッチテスト等を行いながら開発されています。

肌のバリア機能

肌本来のバリア機能の仕組みとはたらき

私たちの体表面を覆っている皮膚には、外界からの異物の侵入や攻撃から体を守り、その一方で体内から水分が蒸散するのを防ぐというバリアの役割があります。この大切な役割を担っているのは、表皮のいちばん外側で外界と接している角層です。具体的には、角層細胞内の「天然保湿因子(NMF)」が保持する水分と、角層細胞間を埋める「細胞間脂質」による隙間のない構造と、角層表面の「皮脂膜」がバリアの役割を果たしています。
しかし、肌のバリア機能は、乾燥した外気や、痒みで肌を掻くことで破壊されてしまいます。

肌のバリア機能低下が引き起こす肌トラブルとは

角層の水分量が減少すると、肌のバリア機能が低下し、表面は乾燥して鱗屑(りんせつ)や亀裂でざらついたドライスキンになります。ドライスキンになると、皮膚表面近くまで痒みを感じる神経線維が伸びて、外からの刺激に敏感になり、ちょっとした刺激でも痒みを感じやすくなります。このため、肌を掻いて炎症が起こり、さらに痒みが悪化するという悪循環に陥ります。また、外界から異物やウイルス・細菌などが侵入しやすくなり、湿疹や蕁麻疹などを発症したり、慢性の皮膚疾患に至る場合もあります。
バリア機能が低下する要因は、ちょっとしたスキンケアの方法の間違いや日常生活の中にあるので、誰でもドライスキンになる可能性があるので注意が必要です。

肌のバリア機能を維持するスキンケアのコツ

●洗い過ぎに注意

まず、肌を清潔に保つことが重要ですが、ゴシゴシ洗ったり、日に何度も洗浄したりすると、かえってバリア機能が損なわれます。汚れをしっかりと落としつつ、余計な刺激が加わらないことを意識して、泡でなでるように優しく洗い、肌に残らないようにすすぎます。また、熱いお湯での入浴や洗顔は避けましょう。熱いお湯ほど肌の保湿成分を奪ってしまうため、さらに乾燥を招いてしまいます。

●洗顔、入浴後はすぐに保湿

次に、皮脂膜の機能と角層の水分量を維持するため、保湿を行います。洗顔後や入浴後、肌の水分量はどんどん減少していくので、できるだけ早く保湿することが大切です。

●紫外線対策

紫外線は日焼けをおこすだけでなく、皮膚のバリア機能を低下させ乾燥させます。季節を問わず、しっかり紫外線対策を行いましょう。
痒みなどの症状が治まらず、症状が長く続いたり悪化する場合は、皮膚科を受診しましょう。

教えてくださったのは

肌のバリア機能|福岡県 北九州市 こばやし皮膚科クリニック 院長 小林順一 先生

福岡県 北九州市

こばやし皮膚科クリニック
院長 小林順一 先生

年齢や性別、個々人の価値観を念頭に、中長期的な視点で治療計画を立てることを心がけています。皮膚の病気は他人からも見えてしまうため、些細なことでも自分自身にとって大変な苦痛であることが多いと思います。軽重にかかわらず、お気軽にご相談ください。