NUMBER53 資生堂が商品名に「ファンデ」を取り入れたのはいつなの?NUMBER53 資生堂が商品名に「ファンデ」を取り入れたのはいつなの?

「資生堂ファウンデーションL」を発売した1951年です

1951年発売のリキッドタイプで
「ファンデ」が商品名に

資生堂で、はじめてファンデの名前が登場したのは、1951年のことでした。名称は「ファウンデーションL」。このファンデは、まったく新しい形状の、液状油性化粧料。純度の高い植物油を完全に乳化させ、乳液のなかに、天然のシルクパウダーなどを混ぜたもの。これは、乳化技術を活用した、リキッドファンデの原点となる製品となりました。カラーバリエーションは、肌色をベースに3色が発売され、のちに7色まで展開されました。

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白粉からファンデへの大きな一歩が時代を更新

当時、色付きの白粉は広まりつつありましたが、液状油性化粧料、リキッドファンデはまだ新しい存在。実際に「化粧崩れがしにくい」と、先駆的な化粧品として話題を集めたそうです。この「ファウンデーションL」が誕生してから1年後、1952年に「ドルックス オーデブラン」という製品が発売。少量で思いのままにのびると、人気となったアイテムで、この製品も液状油性化粧料でした。白粉や基礎化粧品として、1932年よりシリーズ化されていた「ドルックス」という製品があり、「ドルックス オーデブラン」は「ドルックス」の乳液と白粉に、シルクパウダーを配合してつくられた化粧料です。このように、資生堂ではじめて誕生したリキッドファンデ「ファウンデーションL」は、それから先のファンデ研究・開発にとっての大きな一歩となったのです。

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この記事の回答者

髙野 ルリ子

株式会社資生堂
社会価値創造本部
アート&ヘリテージ室
ヘリテージマネジメントグループ

回答者プロフィール

1992年資生堂入社。
千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程情報科学専攻・学術博士。
「化粧の心理、生理的効用、顔の認知や魅力に関する研究」を主軸とし、
心理学的視点に基づくメーキャップテクニックの解釈や理論化に長年従事。
近年は化粧文化研究に注力。日本顔学会会員、理事。日本心理学会、日本感性工学会会員。
2014年4月より筑波大学グローバル教育院客員准教授。

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