NUMBER44 大昔のファンデは「赤色」だったってホント?NUMBER44 大昔のファンデは「赤色」だったってホント?

古代日本では「赤化粧」でした

「赤化粧」は魔除けのため?

古墳時代(3世紀半ば~7世紀後半頃)に出土した人型“はにわ”には “赤い顔料”で化粧が施されています。こうしたことから、古代の日本では、白粉(おしろい)ではなく、赤い色を使った化粧をしていたと考えられています。これは現代のように美しさやオシャレを意識した化粧というよりは、魔除けや信仰的な意味合いが強いと推測されています。赤色は血や火など、とても強いパワーを想像させる色なので、化粧に用いられていたようなのです。

「わるいものから守る」という共通点

人型“はにわ”の顔には、目や口の周りに赤色が塗られていました。目や口を、魔物やわるい気が入ってくる“穴”と捉えていたようですその周りに赤い顔料を塗ることで、身体の中にわるいものが入ってくるのを封じてくれると考えられていたようです。赤色にパワーがあるという意識は、日本だけでなく、世界各地で共通しています。こうした背景を考えると、“肌をわるいものから守ってくれる”ファンデのルーツは、「赤色」と言ってもいいのかもしれませんね。

この記事の回答者

髙野 ルリ子

株式会社資生堂
社会価値創造本部
アート&ヘリテージ室
ヘリテージマネジメントグループ

回答者プロフィール

1992年資生堂入社。
千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程情報科学専攻・学術博士。
「化粧の心理、生理的効用、顔の認知や魅力に関する研究」を主軸とし、
心理学的視点に基づくメーキャップテクニックの解釈や理論化に長年従事。
近年は化粧文化研究に注力。日本顔学会会員、理事。日本心理学会、日本感性工学会会員。
2014年4月より筑波大学グローバル教育院客員准教授。

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